純正律は完全5度などの音程、つまり音階上の基礎的な和音(ハーモニー)を重視した音律(音階の決め方)でした。しかし、この純正律には転調などの弱点がありました。
この弱点を補うように登場したのが平均律です。
12等分してできる12平均律
平均律とは、オクターブを平均して分割しようという考え方です。平均律は16世紀ころから研究がなされ、オクターブを12に分割する 12平均律は19世紀後半から世界的に普及し、現在ほぼすべての楽器は12平均律でチューニングされています。
12平均律=オクターブの12等分
(周波数でいうと、12平方根)
平均律ではどんな調を演奏しても同じ響きになる
12平均律は、2を1/12乗したものを半音とする音律です。つまり「半音=1:1.05946…」であって、どこの半音をとってもそうなります。
平均律の長所は何といっても、 間隔がすべて同じなので、転調しようが、どんな調の曲を演奏しようが、いつでも同じ響き(和音)を得られることが特徴です。
ただし、物事には相反するように長所、短所があるもので、この12平均律にも弱点はあるのです。
平均律の弱点
12平均律において、完全5度(半音7個分)の周波数比を計算してみましょう。 「2の7/12乗」ですね、わかりますかね?1.05946の7乗ですよ。つまり12平均律では、「完全5度=1:1.498・・・」になります。
純正律では完全5度が 2:3だったので、微妙にずれていることがわかります。12平均律の弱点は、この比率のズレなのです。
聞いてみるとほとんどわからないような違いではありますが、12平均律では完璧な和音はあり得ないのです。
平均律はとにかく汎用性のメリットが大きい
平均律には、上述したような和音のズレがありますが、それよりも汎用性(転調しようが何調を演奏しようがOK)を考慮すると、ほとんどわからない和音のズレよりも、この汎用性というメリットのほうが圧倒的に大きいのです。 このため、現在のグローバルスタンダードは12平均律なのです。
まとめ
まとめると・・・
純正律は、演奏する曲の調にあわせてチューニングする、完璧な和音をもった音律。
平均律は、オクターブを12等分割し、調によらず同様な和音を奏でることができる音律。
ということになります。
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