タカのハモりと歌ブログ

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和声的短音階

自然的短音階の弱点

自然的短音階が短調の自然な形でした。
では実際に長調の曲の3度・6度・7度を♭にして演奏してみましょう。 どこかぎこちなく聞こえてしまうでしょう。楽器が近くにある人は簡単な長調の曲をこの法則にしたがって 短調に変調して演奏してみてください。どこか変ですね。

 長調→自然的短音階とすることで、ある大事な音階の性質を失ってしまったのです。 それが導音の性質です。

以前の投稿で、ハ長調を例にして、シはドへ解決する導音なんだ、という話をしたと思います。 自然的短音階は7度を♭にするためシ→ドという解決がなくなってしまい、つまり、シ♭→ドの距離が遠くなってしまうために、主音に解決したという 気持ちよさ(聞いていて)がなくなるのです。逆に気持ち悪くさえあります。

和声的短音階は自然的短音階の弱点を解決

以上の問題を解決するのが和声的短音階になります。実際の短調の曲中では、この和声短音階および 次に登場する旋律的短音階を使うことがほとんどでしょう。
ちなみに、和声とは、複数の音の関係をさす語で、和声学という音楽学問もあります。

和声的短音階:ハ短調(c harmonic minor scale)

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このように和声的短音階は、自然的短音階の7度が半音上がった音になります。オレンジ色の音です。なお、半音上がるため長2度だった音の間隔が増2度になって広がっています
(わざわざナチュラル♮が付くのは、あくまで自然的短音階で「シ♭」だった音が♯しているという意味です。 単に「シ」だけでは同じ音でも表記上ダメです。)

 

和声的短音階(主音を基準に)
 完全1度・長2度・短3度・完全4度・完全5度・短6度・長7度・完全8度

 

和声的短音階は上記のような規則をもった音階です。 英語ではharmonic minorといいます。短音階をハーモニーを奏でるような(ハーモニックな)美しい音階に仕立てたという感じでしょうか。

では、ハ短調以外の例をあげてみます。

 

和声的短音階:イ短調(a harmonic minor scale)

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和声的短音階:二短調(d harmonic minor scale)

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和声的短音階:ト短調(g harmonic minor scale)

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和声的短音階についてまとめ

和声的短音階は、長調と比べて主音から3度、6度が♭になっています。 (正確には7度が♭してから、さらに♯しているんですけどね。) 一般の曲中では旋律的短音階と並んで多く用いられる短音階です。

自然的短音階の説明で、導音の性質がなくなっていると説明しましたが、この和声的短音階は7度を半音上げることによって、導音の性質を取り戻しているのです。なので、聞いていても最終的に主音に移行するのが気持ちよく、音楽として成立するようになります。

長調の曲の3度、6度を♭して演奏してみてください。普通に心地よい短調になるでしょう。 慣れれば、簡単な長調の曲なら即興で短調で歌うこともできるようになります!

 

次回は3つめの短音階、旋律的短音階です。

 

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