今回は「休みの日」をアカペラアレンジして歌ってみたのですが、そのレシピや、作り方を紹介します。アカペラアレンジって、きっと作り方は人それぞれだと思いますが、今回僕がやった方法を紹介しておきます。
選曲する
まず、アカペラで何かつくろうと考えて、曲探しをしていました。
僕の声だとアップテンポよりもバラード調のほうが主旋律が映えると思っているため、バラード系で探していました。また、アップテンポ系は音が忙しく変化するため、コード感を出すのが難しく、難易度が高くなる傾向にあるため、アカペラ経験が少ない僕にとっては難易度が低めのバラードにしたい、という理由もありました。
ゆっくりとハーモニーを確認しながら歌えるという点で、アカペラはスローテンポのほうが難易度が低めだと思っています。アップテンポだと、楽器伴奏もないので、ピッチの正確性を出すのが凄く難しいのです。(特に軸となるベース音などのピッチの甘さは命取りです)
さらに、アカペラということで、楽器での曲の抑揚付けができないため、アカペラのアレンジだけで抑揚を演出する必要があります。この点で、Aメロからサビにかけての変化感がある曲にしたいと思っていました。
そんなときに、BankBandのCDを聴いていて、これだ!と決めたのが、BankBandもカバーしていた「休みの日」でした。
ラフサウンドを作る
全体構成を決める
曲を何回か聞いて、アカペラ化する構成をイメージします。
この曲は歌い出しが「やす〜みのひ〜が〜♪」という歌い出しで、「や」がシンコペーションになっているため、いきなり主旋律スタートで良いかなと考えました。2音目の「す〜♪」でアカペラのバックが重なってくるイメージです。
そして、1番を普通に歌って、サビの最後「なれるかも〜しれない〜♪」で伸ばして終わり、というイメージにしました。全体は、「Aメロ、A'メロ、サビ」というシンプルな構成ですね。
コードを決める
次に肝となるコードを決めていきます。テンションコードなど使いすぎて難易度を上げるよりも、シンプルな和音で歌いやすくしたかったのと、また複雑化させるとアレンジ・編曲力も必要となってくるので、無理をしないようにしました。
曲を何回か聞いて、キーボードでコードを確認しながら、耳コピしていきます。
ここまでで、全体構成とコードだけ完成し、以下のようなメモができました。生々しい手書きのラフメモですいません(汗)
間違って消しているところがあったり、関係ないメモ書きとかありますが、これを実際に書いていたときはブログに載せることまで考えていなかったので、気にしないでくださいww(要は構成とコードを先に決めたということを言いたいだけです)
アレンジを決める
ラフな構成とコードが決まったら、まずアカペラの伴奏を作ります。伴奏となる各パートを楽譜にしていきます。(以下に書き上げた譜面を載せておきます、これも手書きで汚くてスイマセン)
Aメロは、ロングトーンで、A'はアルペジオで変化をつけようと考えました。さらに、サビからは伴奏パートも歌詞を歌うようにして、躍動感をもたせることにしました。ただし、主旋律とまったく同じリズムで歌詞を歌い続けるとクドイ気がしたので、例えば、「だいすきな〜Ah-Ah-」とか抑揚をつけるようにしました。
コードの構成音(Aであればラド#ミ)を満たすように、且つ、各パートが自然なメロディーラインになるように、音符を書いていきます。
A'では、アルペジオ感を出すために、Aメロよりオクターブ下から構成するようにしました。さらにサビではより、音の広がりを出すために、出るか出ないか分からない低音D2まで下は広げ、上には「Ha-」とコーラスを重ねるだけの追加パートも入れることにしました。なお、歌詞を歌うパートは主旋律と無駄に被らないように、念のため赤色で主旋律を記載しています。
途中まで歌ってから、サビまで一気に音をたして広げてきたので、最後に無音の瞬間を作ると変化が出て面白いなと思い、最後に1小節だけ無音にしようと決めました。「Bm7・D/E」のところですね、途中で決めたので×で音符を消しているのがわかります。
ちなみに、アカペラ作るとき、みなさんどうやっているか分からないんですが、僕はこんな感じで譜面に起こして少しづつやってます。譜面に起こさないで出来る人はほんと凄いと思います、パート毎にコードの構成音を作りつつメロディラインを歌いやすく仕上げるのは至難の技ですよね・・。ほんとみんなどうやってるんだろうw
歌ってみる
さて、ここまで出来たら歌入れです。
今回は音楽コラボアプリnanaでのサウンドを作ることが目的だったので、iPhoneアプリのGarageBand(通称ガレバン)を使って、iPhoneの本体マイクで多重録音をしていきます。ちゃんとしたレコーディングではそんなことしませんが、nanaはこの気軽さが良いんですよね。
ちなみに、案の定サビ入りのD2が上手く出ませんでした(汗)なのでD3に急遽変更して妥協しました。この結果ベース感が弱くなってしまいました。
そして、できたものがコチラです。
アレンジを修正
最初にできたバージョンを聴いていて、(主旋律をなんとなく合わせて歌ってみて)なんか物足りないと思いました。
まず、Aメロの後半(5小節目から)は、主旋律の音数が少なくなるんですが、そうすると不自然な音の薄さになってしまうんですよね。主旋律も伴奏もロングトーンになるので、リズム感も弱くなります。
また、サビからも音域の広がりは見せたのですが、D2がなくなってベース感が弱くなったことと、そしてなんか盛り上がりにかける感じがしました。
ワウを入れる
Aメロ後半どうしようかな、と考えてみましたが、まず思いついたのは良くある手で、アルペジオでリズム感や音の変化を入れることです。しかし9小節目からのA'でアルペジオを使ってしまっているので、ここでは他の方法がないかなと考えました。
もし楽器隊がいたらどうするだろうと考えたとき、ギターでジャーンと鳴らしたら、次のパートではワウとか使って変化つけるかな、と思いアカペラでワウを再現しちゃえ!となりましたww
そしてガレバンで歌ってみたパートがこれです。
いい感じになったので、これをAメロ後半に追加することにしました。
ボイパを入れる
次にサビの物足りなさをどうしようか考えましたが、あまりアカペラ慣れしていないので、アカペラの引き出しがあまり無いのですw
やはり楽器隊いたら、サビでドラムインだろー!と考えて、思い切ってボイパをやってみることにしました。ボイパなんて初挑戦だったので、ボイパ本職の人みたいに、すべての楽器を一気にやれないのでパートごとに録音してパーカッションパートとしてみました。
Kick(バスドラ)は、口を閉じて喉を鳴らしています。スネアはほっぺたに溜めた空気を一気に吐き出して音を作ってみました。あとはハイハットやシンバルっぽく、ツーツー言っています。これが結構いい感じのパーカッションになってくれました。
できあがったサウンドがこれです。
前奏を入れる
ここまで出来て完成にしようかと思ったんですが、この曲、イントロがすごく印象的で綺麗なんです。ここも再現しちゃえと、やってしまうことにしました。
あらためて、イントロ部分だけを採譜。ここを後付けで歌って、追加しました。
完成
そして、最後に主旋律を入れて、完成したサウンドがこちらです。
nanaにもあげていますが、 YouTubeに動画付きであげてみたので、よければ聴いてみてください。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
今回は僕のアカペラサウンドの作り方を紹介しました。
ほんと、みなさんどうやって作っているのか気になります。採譜しない方や、他の方法論がある方は是非教えてください〜!
では、おやすみなさい!
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