前回までの話は難しかったですね~。
もっと、できるだけ簡単にいきたいところですが、綺麗なハモを理解して歌えるようになるには、知っておいたほうがベターだと思うことばかりなんです。
例えば、よく上ハモや、3度ハモというようなことを言いますが、なぜ3度なのか?(上ハモと言っているやつも大抵3度です)
また、実は3度だけではハモることができなくて、4度へ切り替えたりしながら実際はハモることが多いんですが、音楽理論を知っていれば、3度と4度を切り替えながら
歌えば間違いない!と理屈を知っているから自信をもって歌えるようになるんです!
横道それましたが、話を戻して振り返りましょう。
純正律
完全系の周波数比率からチューニングされる純正律
完全5度=2:3、完全4度=3:4、でしたね。(いきなり難しいですが。。)
完全5度とは半音が7つ分(ドとソなど)、完全4度とは半音が5つ分(ドとファなど)です。
そして、オクターブは半音が12個です。
では、「ド-ミ」などの長3度はどうなっているのでしょうか?ドミソの和音は綺麗ですよね、これを考えると 綺麗な周波数比になっているはずです。実は「ド-ミ」などの長3度は4:5なのです。 つまり「ドミソ」は4:5:6になっているのです。
ハ長調でよく使われる和音には、「ドミソ」、「ファラド」、「ソシレ」がありますが、 これらはすべて音程の関係は同じですよね(長3度・短3度)。 では、これらを組み合わせてみましょう。
「ファラドミソシレ」=「16:20:24:30:36:45:54」
となりますね。(4:5:6の関係から計算して算出してます)
ここから、ファ・ラをオクターブ上げて(2倍)、レをオクターブ下げて(1/2倍)みましょう。 すると次のようになります。
「ファラドミソシレ」=「32:40:24:30:36:45:27」
「ドレミファソラシ」に並び替えると、「24:27:30:32:36:40:45」になりますね。
さらにドを1と考えるために、すべてを24で割ります。
すると・・・
「ドレミファソラシ」=[1 : 9/8 : 5/4 : 4/3 : 3/2 : 5/3 : 15/8」
となりますね。昔の人は、このようにして音階のチューニングを決定しました。
これが純正律という音階なのです。
純正律=「1 : 9/8 : 5/4 : 4/3 : 3/2 : 5/3 : 15/8 : 2」
純正律の弱点
純正律には弱点がありました。
上のように純正律でチューニングされた楽器で、ハ長調ではなく、 二長調(レからはじまる長調)を演奏するとしましょう。 二長調の基本の和音は、「レ-ファ#-ラ」です。上記の関係から「レ-ラ」=9/8:5/3となっています。 つまり、「レ-ラ」=27:40となり、ニ長調では微妙に2:3からずれてしまうのです。
数学が得意な人ならわかるかもしれませんが、実は完全5度、完全4度、オクターブの関係などから、 すべての音についての関係(周波数比)をいろいろ計算してみると、つじつまががあわないと思います。
つまり、上記の純正律チューニングはハ長調に合わせたチューニングということになります。このように、純正律は周波数比を もとに基本の和音がもっとも綺麗に響くようなチューニングなのです。ハ長調以外の曲では汚い和音になってしまうため、 曲が転調などしてしまうと、綺麗に響かないのです。
昔の人はピアノなどの楽器を、演奏する曲調にあわせて純正律でチューニングしていました。 演奏する曲ごとにチューニングし直すのはとても不便ですね。
純正律は、ある調の基本和音を完璧に合わせたチューニングですが、転調などの弱点がありました。 この弱点を克服するべく登場したのが12平均律というものです。12平均律については次回お話しますね。
では、おやすみなさい!
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